スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

恒川光太郎 / 夜市

0907.jpg

まだまだレビューしていきましょう。
2005年「第12回日本ホラー小説大賞」を受賞した作品。
幻想的だけどどこか怖い……本書にはそんなホラーの世界が描かれており、受賞作である
「夜市」に短編「風の古道」を加えた二本立てとなっています。

◇ ◇ ◇

十年前のある日……妖怪や悪魔が入り乱れる<夜市>に迷い込んだ裕司は、野球の才能を
手に入れる対価に連れ添った自分の弟を差し出した。

大学生になった裕司は友人のいずみを連れ、十年ぶりに<夜市>へと赴いた。

怪物達と彼等が売る異様な品々に目を白黒させるいずみを連れて、裕司はついに十年前に
弟を差し出した出店の前へとやって来た。

彼は弟と引き換えに何を差し出すのだろうか。
果たして、弟を無事取り戻す事ができるのか。

◇ ◇ ◇

読み終えてみて……作者の紹介欄にもある様に、どこか懐かしさを感じる作品でした。
誰もが読んだ事のある、学生時代の国語の教科書に出てくる物語などに近い印象です。
設定や背景などに関する過剰な描写をしない事で、読みやすさと幻想的な雰囲気が見事に
演出されていると思いました。

あらすじから、最初はやや児童書寄りな(失礼!)感じの話かな?と言う印象でした。
しかし、読み進めるにつれ、次第にそんな第一印象が覆りました。文面の読みやすさは
そのままに、ストーリーもしっかりと裏があり、時折ホラー小説らしいゾッとする様な
残酷さ/無慈悲さ/人間の悪意も描かれています。どちらかと言うと、ジャンル的には
ホラーよりダークファンタジー(似た様な物か?)に近いかなとも思います。

もっぱら、ライトノベルがメインの方にもこれはお勧めできます。
僕は本書で作者のファンになり「秋の牢獄」「雷の季節の終わりに」も買いましたwww

誰とは言えませんが、本書に出てくるある人物の生き様に浅倉はいたく感動しました!
スポンサーサイト

我孫子武丸 / 殺戮にいたる病

19837097.jpg

去年の年末が近づいた頃に読んだミステリー小説。
これまでに読んだグロい小説の中で、堂々のワースト1位に輝いた作品であります。
あまりの猟奇性と、それを引き立てる異常なほどリアルで細かい描写に「げえっ……」と
なりながらも何とか読み終えましたが、今でも時折思い出して身体がゾクゾクします。

◇ ◇ ◇

連続殺人犯・蒲生稔。
歪んだ形でしか女性を愛せぬ彼は、永遠の愛を手にすべく恐ろしき凶行を繰り返す。
そんな彼が逮捕と言う結末を迎えたその場所は、たった今自らが行った殺人の現場。

彼の手に掛かった誰か死体。
その惨劇に号泣する<雅子>と言う女。
そして、彼女と共に駆けつけた警察OBである<樋口>と言う男。

「……本当に、お前が殺したのか?」
彼等の前で警察に連行されてゆく蒲生に向かって、樋口はそう訊ねた。

◇ ◇ ◇

裏表紙のあらすじを読むと、一見単なるサスペンス/ホラーかと思いますが、実は本作は
非常によく出来たミステリー小説です……殺人鬼である主人公が逮捕されるまでの経緯を
辿るストーリーで、知らずに読むと「淡々と犯罪者の動向が書かれてるだけじゃん?」と
放り出してしまうでしょうが、そこは「待った!」です。

この物語はクライマックスにこそ、大きな意味があるのです。
この物語は犯人が逮捕される<直前>をプロローグとして始まりますが、果たして逮捕の
<直前>に殺されたのは一体誰か……それを念頭に読むと良いでしょう。

グロには絶対の耐性がある!と言うミステリーファンの方なら、是非読んでみましょう。
ただし、内容的に未成年の方や、特に女性の方には決してお勧めできません……本当に。
全て皆様の自己責任で……僕はもうしばらく読みたくありませんがwww

倒錯のロンド / 折原一

51DSGDWN5ZL__SX230_.jpg

明けましておめでとうございます。
今年もメタラーと読書家を兼業(笑)な浅倉です。
お正月休みと言っても、初詣に行ったり親類とのご挨拶があったり、多少なりイベントは
ありますが、それを除けば普通の連休なわけで、ちょっと暇してますwww

ではでは、ちょうど昨晩に読み終えた小説をご紹介。

◇ ◇ ◇

自分の書いた小説が盗作され、あろう事か新人賞を取られた!?
月刊推理新人賞に応募すべく、山本安雄は骨身を削る思いで<幻の女>と言うタイトルの
推理小説を書き上げるも、ある事情から応募の目前にし、その原稿を紛失してしまった。
落胆に暮れながらも必死に作品を書き直し、何とか応募に漕ぎ付けた山本……だが、彼を
待ち受けていたのは、自分が書いたはずの<幻の女>が、全く別人の作品として新人賞に
選ばれたという、信じ難い結果発表であった……大事な作品と栄光を横取りされた山本の
<偽りの作者>への復讐劇……そして、盗作の真相に迫るサスペンス/ミステリー。

◇ ◇ ◇

良い作品を書くための地道な下積み、賞を取りプロになった後の苦労など、プロ/アマを
問わず、小説を書かれる方にはなかなか興味深く、共感できる作品ではと思います。僕は
特に主人公・山本の様にプロを目指しているわけではありませんが、作品作りに対しての
考え方には似た所があり、思わず笑ってしまった場面もwww

ただ、個人的にはやや「深読み」しすぎてしまったかと思います。
文章の端々から「ああ、そういう仕掛け?」といろいろ考えてみたのですが、そういった
先入観と真相の大きな食い違いや、ややまどろっこしい文の書かれ方が見受けられた事も
手伝い、読了後は「えっと……つまり、どういう事なんだ?」と混乱してしまいました。

こうした僕の様な混乱に陥らないために、本書が「どういったタイプのミステリーか」を
事前に出来るだけ知らない方が良いかも知れません……一読者としての参考までに。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。